ニュージーランド首相の衝撃的ピザが国を二分
一定の世代以上には懐かしい食べ物
Facebookのコメントには、「ピザに缶入りスパゲティ、やっと国民を理解してくれる首相が(現れた)」といったものもあった。というのもどうやら、このピザは同首相が思いつきで手当たり次第に具を乗せたものではなく、ニュージーランドのある世代以上の人には懐かしい食べ物のようなのだ。
「70年代に子どもだったけど、このスパゲティ・ピザを見るとたくさんのいい記憶が蘇るよ」や、「こんなにおいしいピザに文句を言っている人は、(a)自分の子ども時代や、身を起こしたばかりの貧しかったころを忘れている、もしくは(b)愛すべきスパゲティ、ハム、パイナップルのピザを思い出せないくらいの若い世代だ」というコメントも見られた。
英国のガーディアンは、このレシピを「80年代ニュージーランドの田舎における定番食」と表現している。
英紙が試食、お味は...?
この論争に終止符を打つべく立ち上がったのは、前述のガーディアンだ。実際に、イングリッシュ首相のレシピを使ってピザを作り、味見したのだ。「首相スペシャル・ピザ」に乗せる具は、缶入りスパゲティ、パイナップル、チーズ、ベーコンの4種類。トマト・ソースを塗って具を乗せるのに1分、焼きあがるのに8分だ。
ガーディアンには動画も公開されているが、それを見るとピザのピースを持ち上げる際にスパゲティがビロッと垂れ下がり、あまりおいしそうにも食べやすそうにも見えない。記者も動画の中で「スプーンが必要かも」と言っている。
実際に食べた感想として記者は、「グズグズで歯ごたえもあまりなく、持ち上げると手の中で崩れてしまった」と書いているが、肝心の味については「おいしかった。本当においしかった」、「気取らない、率直な風味がすぐに伝わってきて、驚くほどの『おいしい』要素があった」と絶賛した。
この缶入りスパゲティ、ニュージーランドやオーストラリア、英国などでは一般的にトーストに乗せて食べるのが人気のようなので、そうしたものに慣れ親しんできたであろう英語圏出身の記者がおいしいと感じるのも不思議はない。
しかし考えてみれば、日本にも「ナポリタンドッグ」が存在する。この缶入りスパゲティが日本人の口に合うかどうかは定かではないが、単に「ピザの具にスパゲティ」ということなら、日本の食卓にも「アリ」なのかもしれない。勇気のある人はぜひお試しを。