最新記事

気候変動

トランプの「反・温暖化対策」に反対する意外な面々

2017年3月30日(木)19時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ティラーソン国務長官の古巣エクソンモービルも

極めつけは、エクソンモービルだろう。テキサス州に本拠を置くアメリカ最大のエネルギー企業である同社も、反対意見を表明しているのだ。

トランプ政権からパリ協定に対する見解を求められたエクソンモービルは、3月22日、ホワイトハウスに書簡を送り、パリ協定は「気候変動のリスクに対処する効果的な枠組み」であり、アメリカは脱退すべきでないと伝えていた。かつて石油メジャーと呼ばれ、温暖化についても世論誘導などで批判を受けたこともある同社が、である。

ただし、CNNによれば、同社は2007年に温暖化リスクについて公に認め、二酸化炭素の排出削減に取り組むと約束している。パリ協定への支持も表明してきた。

レックス・ティラーソン現国務長官は就任前までエクソンモービルのCEOを務めていたが、ティラーソン自身も、1月の承認公聴会では「気候変動のリスクは存在する。深刻な事態にならないよう行動しなければならない」と発言している(残念ながら、ティラーソンにトランプを止める力はないようだ)。

【参考記事】来日したティラーソン米国務長官、同行記者1人、影響力なし

確かに、アメリカでは今も地球温暖化に懐疑的な意見が根強いが、「環境より経済」を掲げる大統領の「反・地球温暖化対策」に対して、経済界から批判が相次いでいるのは皮肉という他ない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-ウクライナ和平案、米と欧州に溝

ビジネス

豊田織機が株式非公開化を検討、創業家が買収提案も=

ワールド

クリミアは「ロシアにとどまる」、トランプ氏が米誌に

ビジネス

トランプ氏「習氏から電話」、関税交渉3-4週間で終
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 3
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 4
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 8
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 10
    アメリカ版文化大革命? トランプのエリート大学たた…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 5
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中