トランプの「反・温暖化対策」に反対する意外な面々
ティラーソン国務長官の古巣エクソンモービルも
極めつけは、エクソンモービルだろう。テキサス州に本拠を置くアメリカ最大のエネルギー企業である同社も、反対意見を表明しているのだ。
トランプ政権からパリ協定に対する見解を求められたエクソンモービルは、3月22日、ホワイトハウスに書簡を送り、パリ協定は「気候変動のリスクに対処する効果的な枠組み」であり、アメリカは脱退すべきでないと伝えていた。かつて石油メジャーと呼ばれ、温暖化についても世論誘導などで批判を受けたこともある同社が、である。
ただし、CNNによれば、同社は2007年に温暖化リスクについて公に認め、二酸化炭素の排出削減に取り組むと約束している。パリ協定への支持も表明してきた。
レックス・ティラーソン現国務長官は就任前までエクソンモービルのCEOを務めていたが、ティラーソン自身も、1月の承認公聴会では「気候変動のリスクは存在する。深刻な事態にならないよう行動しなければならない」と発言している(残念ながら、ティラーソンにトランプを止める力はないようだ)。
【参考記事】来日したティラーソン米国務長官、同行記者1人、影響力なし
確かに、アメリカでは今も地球温暖化に懐疑的な意見が根強いが、「環境より経済」を掲げる大統領の「反・地球温暖化対策」に対して、経済界から批判が相次いでいるのは皮肉という他ない。