最新記事

韓国

朴槿恵前大統領、逮捕 崔順実と共謀で賄賂強要など13の容疑

2017年3月31日(金)09時42分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


検察とパク前大統領側、それぞれの主張は?

検察とパク前大統領側双の方は容疑に関して厳しく対立し、尋問が行われている最中にも関連資料が入ったものとみられるブリーフケースが法廷に運び込まれた。

韓国メディア世界日報によれば、検察は安鍾範(以下、アン・ジョンボム)元大統領府政策調整首席秘書官の業務手帳に書かれた内容をふまえて、パク前大統領がイ・ジェヨンサムスン電子副会長ら大企業のトップらと単独面談の席で、崔順実(以下、チェ・スンシル)容疑者が設立したミール・Kスポーツ両財団への資金提供を要求したと指摘した。

これに対し、弁護人たちは、アン前首席の業務手帳は特別検事チームが不法に取得したもので証拠能力がなく、パク前大統領が金品の代価として大企業に便宜を図ったこともないと反論した。また、ミール・Kスポーツ両財団へ資金提供の要請については、「個別企業による出資行為によって財団が誕生することわけで、こうした行為は相手方のない単独の行為」だとし、「賄賂を受け取る主体がまだ作られていないのに、『賄賂を交わした』という風に、検察が主張することは理屈に合わない」と一蹴した。

さらにパク前大統領がチェ容疑者に国家機密を漏らしたという容疑内容についても「政治家が親交がある民間人に演説文の草案を渡しながら、『一度検討してほしい』と要求した行為を公務上の秘密漏えいとみなすことはできない」と反論したという。

だが、こうした弁護側の反論は無駄な抵抗で終わった。韓国初の女性大統領として注目を集めたパク・クネ元大統領は、疑惑が明るみになってから半年で、韓国政治史上、過去最多の容疑で逮捕されることとなった。この間にパク・クネ退陣を求める市民と、パク・クネ擁護の市民との間にできた溝はさらに深まっている。これを次期大統領は収拾できるのか? 注目の次期大統領選挙は5月9日に行われる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

2月完全失業率は2.4%に改善、有効求人倍率1.2

ワールド

豪3月住宅価格は過去最高、4年ぶり利下げ受け=コア

ビジネス

アーム設計のデータセンター用CPU、年末にシェア5

ビジネス

米ブラックロックCEO、保護主義台頭に警鐘 「二極
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中