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欧州選挙

オランダ総選挙、ポピュリズム政党敗退の裏側に見えるもの

2017年3月23日(木)10時30分
ジョシュ・ロウ

リベラル派の逆襲

上位政党の大半は選挙戦でリベラルな立場を取らなかったが、少なくない有権者が反ポピュリズム票を投じた。

グリーン・レフトを率いるのは、30歳のイケメン党首ジェシー・クラーベル。選挙戦はフランスのリベラル派大統領候補のエマニュエル・マクロンのように、活気に満ちた集会を中心に展開した。同党によれば、米大統領選でトランプが勝利すると、世界的な極右台頭への不安から党員が急増したという。

一方で進歩的リベラル派の「民主66」も19議席を獲得し、キリスト教民主勢力と共に3番手に並んだ。連立の一角を占める可能性が高い。

民主66の広報担当ショード・ショーズマは投票前に本誌に対し、どの政党と組むことになっても、人種・性別・性的指向を問わず「全てのオランダ人」のための政治を目指すと語った。こうした政党が右派にどのような影響を与えるのか、注視する必要がある。

【参考記事】欧米で過激な政党が台頭する本当の理由

高まる移民票の重要度

15年に創設された移民の政党デンクは、主にトルコ系有権者の支持を受けて健闘し、3議席を獲得した。

民族性をはっきりと打ち出した政治運動がまれなオランダでは、デンクは珍しい存在だ。創設したのは、中道左派の労働党を離党した2人の議員だ。

この比較的新しい政党の成功は、自由党などによる反移民の主張が人種的少数派を投票所に向かわせたことを意味する。

[2017年3月28日号掲載]

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