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暗殺事件マレーシア政府、北朝鮮大使に国外追放を宣告
2月20日大使館前で記者会見をしたカン・チョル北朝鮮大使 REUTERS/Athit Perawongmetha
<金正男暗殺事件を巡り、対立が続いているマレーシア政府と北朝鮮。容疑者として北朝鮮大使館職員の取り調べを求めていたマレーシア側は、北朝鮮側がなんら対応する気配がないことからついに康哲駐マレーシア大使を国外追放すると発表した>
マレーシア政府は4日、金正男暗殺事件についてマレーシア警察の捜査を批判し、さらに「マレーシアが韓国など敵対勢力と野合して、北朝鮮を窮地に追い込んでいる」という発言をしたマレーシア駐在の康哲(以下、カン・チョル)北朝鮮大使を追放することにした。6日午後18時までに国外退去を求めているという。聯合ニュースなど韓国メディアが伝えた。
アニファ外相は声明で「カン大使を今日の午後6時まで外務省に召喚し、外務省高官と面談するようにと伝えたが、大使はもちろん、大使館の関係者の誰もこれに応じなかった」と明らかにした。
このためマレーシア外務省はカン大使を"外交上好ましくない人物(persona non grata)"に指定し北朝鮮大使館側に通告。4日午後6時から48時間以内に、マレーシアを離れなければならなくなった。
声明は「先月28日、北朝鮮側代表団と会談し、マレーシア政府を批判したカン大使の発言に対する書面での謝罪を要求し、当日夜10時まで答弁がなければ相応する措置を取るとしたが、以降ほぼ4日が経っても謝罪が行われていない」とカン大使を追放するに至った経緯を明らかにした。
さらに声明では「今回の措置は、マレーシア政府が推進する北朝鮮との関係見直しの一環で、両国間のビザ免除協定破棄に続いて出された。これはマレーシアが(北朝鮮の)不法活動に利用された可能性があるという政府の憂慮を反映したものである」と付け加えた。これは今後さらなる外交関係の見直し=国交断絶なども含め、北朝鮮に追加的な措置があり得ることを暗示したものと見られている。
金正男暗殺事件を巡り、徐々に対立が激しくなってきたマレーシアと北朝鮮だが、ついに駐在大使の追放という抜き差しならないところまで悪化した。両国関係はもはや国交断絶もやむなしという状況になりつつある。