情報を多くもっている人が仕事ができるわけじゃない
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<貧乏人とお金持ちを隔てる「情報の入れ方」とは何か。「隠れ貧乏」を脱するための処方箋その2>
それなりの収入はあるはずなのに、なぜか貯金が貯まらない。そんな人は「隠れ貧乏」だと、桜川真一氏は言う。
「隠れ貧乏」とは、自覚のない、あるいは気づいているけれど認めたくない貧乏のこと。桜川氏によれば、考え方や行動の癖からくる、いわば生活習慣病だ。今は大丈夫でも、結婚したとき、子育てのとき、あるいは退職したときなど、ライフスタイルの変化を機に生活が苦しくなる。
兄の会社が倒産し、3億円の保証金を背負って自己破産寸前となった桜川氏は、そこから不動産と株で3億円の資産をつくることに成功したという。お金持ちへのステップを登り始めるなかで彼が見出したのが、「いつもお金がない」から抜け出す処方箋だった。
貧乏人とお金持ちを隔てる考え方や行動の癖とは何か? たとえば、「情報は力」などとよく言われるが、情報を多くもっている人がお金持ちになれるわけではない。
ここでは、桜川氏の著書『貧乏は必ず治る。』(CCCメディアハウス)から一部を抜粋し、5回に分けて転載する。第2回は「わり算で考える貧乏人 かけ算で考えるお金持ち」より。
情報いっぱいの貧乏人 情報を選ぶお金持ち
テレビでは、あまり知られていないことを教えてくれるクイズ番組などがたくさん放送されていますよね。九州の隠れ家的ラーメン屋さんや山奥にあるパン屋さんを訪ねる情報番組もそうです。人は自分が知らないことを知ることに快感を覚えるのでしょう。
インターネットは、人の知りたい欲求にすぐに応えてくれます。まさに星の数ほど、いやおそらく星の数も超えるくらいの勢いでいろんな情報があふれています。
あなたのまわりにもいませんか? 政治・経済から芸能、職場や友達のうわさまで何かと詳しい人。一見頭が良さそうに見えるけど、でもなぜか仕事ができないし、お金にも縁がないタイプの人。
私の知人のMさんもそんなタイプの人でした。政治の話をしては、まるで評論家のように分析するし、アイドルや女優、アナウンサーのことも詳しい。共通の知人のうわさ話も本当によく知っています。冷静に話す口調と司法書士という職業から、なんだかしっかりしていて頼りになりそうです。
そういうわけで、ある会のとりまとめをMさんに任せたのですが、実際は......。
Mさんはできない。実にできない人でした。
他の人に仕事をふるだけで、あとは評論家のように他の人のやることを批評するだけ。会のほかのメンバーからは不満たらたら。Mさんも、そんな雰囲気を察したのか途中から会に参加しなくなりました。