最新記事

日韓関係

韓国外交部、釜山市らに慰安婦問題の「少女像」移転を求める

2017年2月23日(木)21時30分
ニューズウィークウェブ編集部


釜山市側はだんまり決め込む?

news1によれば、釜山市の東区役所の関係者は23日、外交部の公文書について「すでに設置された少女像であるため、仕方がない。政府レベルで外交部の関係者たちがやってきて、市民団体と面談したいということなら、打合せの場を用意する努力くらいはできるが、それ以上は難しい」と一蹴したという。

また、聯合ニュースが別の東区役所の関係者のコメントとして「区長が任期中に少女像の撤去や移転はない、と言った立場に今も変わりはない。そもそも区役所は少女像の移転、撤去についての権限や力がない。区役所の公務員が(12月28日に)市民団体が設置した少女像をいったん撤去し、立てこもった住民らを強制撤去した後、国民的非難を受けて、今でも大きな後遺症を抱えている。区役所が少女像を移転するというのは区役所の公務員を二度殺すことであり、今は想像できる問題ではない」と付け加えたという。

一方、問題の少女像を日本領事館前に設置した市民団体の関係者は、「政府は、少女像移転要求で、国民にもう一度傷を与えている。外交部は民心と逆行する少女像移転要求を直ちに撤回せよ」と要求している。また、「釜山市は、慰安婦被害者支援と少女像の管理に関する条例案作りに早急に乗り出してほしい。東区役所は、外交部の圧力より国民の要求を重く受け止め、少女像の保護に積極的に取り組むべきだ」と強調した。

24日には釜山市東区側と市民団体側が、少女像の周辺に監視カメラを設置することについて打合せをする予定で、その会議の席上でも外交部からの公文書による要請について話し合いがもたれるもようだ。

3月上旬にも出されるという弾劾審査の結果を待つパク・クネ政権の元では、市民団体はもとより自治体すらも政府の指示に聞く耳を持たない状態で、日韓関係に春が訪れるのはまだまだ先になりそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米運輸長官、連邦航空局の改革表明 旅客機・ヘリ衝突

ビジネス

基調物価が2%へ上昇するよう、緩和的な金融環境維持

ビジネス

コマツの4ー12月期、営業益2.8%増 建機販売減

ビジネス

安定した物価上昇が必要、それを上回る賃金上昇も必要
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中