イエメンでの対テロ作戦はトランプ政権の失点なのか
15年にパキスタンとアフガニスタンの国境地帯で行われたドローン攻撃ではアルカイダの人質になっていたアメリカ人とイタリア人が死亡した。同年にアフガニスタン北部のクンドゥズでは「国境なき医師団」の病院が空爆された(これは戦争犯罪に当たる可能性がある)。しかもオバマ政権はイエメンで民間人を標的に残虐な空爆を行うサウジアラビアを支援し続けた。
思慮分別のあるオバマのこと。米兵や民間人が死亡するリスクのある作戦を認めるからには、よほどの理由があるのだろうと、オバマ支持者は思ったのかもしれない。確かにオバマは前任者のジョージ・W・ブッシュに比べると、アメリカ人の命を危険にさらすことははるかに少なく、軍事行動における犠牲者数も格段に少なかった。
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だが、テロとの戦いのためなら、米政府は世界中のほとんどどこでも軍事作戦を実施する権限を持つという考えを国民に吹き込むために、オバマ政権が大いに「貢献」したのもまた事実だ。オバマは任期切れまでその権限の解釈を押し広げ続けた。
地理的境界なしに、責任も問われず、定義の曖昧な対テロ戦争がいつまでも続く――民主党政権下では、議会民主党も民主党支持の有権者もこうした事態に異議を唱えなかった。
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