潘基文、電撃会見で大統領選不出馬を宣言 韓国政界混迷深まる
3ヵ月前、韓国ギャラップによる2016年11月第2週の世論調査では、次期大統領候補の支持率でパン・ギムン20%、ムン・ジェインともに民主前党代表19%となっており、若干であるがライバルに差をつけて1位となっており、12月もほぼ同じ互角の人気を保っていた。
ところが、パン・ギムン本人が国連事務総長の任期を終えて帰国した1月から、支持率でムン・ジェインに30%と一気に逆転されてしまった。これは一体なぜか?
「パン・ギムン先生はアイゼンハワー大統領の戦略をモデルにしたが、チェスンシルゲートが起き、全ての状況が急激に変わってしまった......」 パン・ギムンの側近はこのように語ったという。
韓国マネートゥデイによると、パン・ギムンと陣営スタッフは、共和党・民主党の両陣営から大統領候補への誘いを受けつつ、自分の政治的なスタンスを隠すことで自分の価値を高めた1950年代のアメリカ大統領アイゼンハワーをロールモデルにした。そのため、パン・ギムンは側近に「自分が帰国するまでは、どんな組織も作らず、行動を起こさないように」と何度も指示を出したという。
しかし、11月韓国の政界は激震に見舞われた。パク・クネ大統領の友人チェ・スンシルによる国政介入疑惑の発覚である。パク・クネ大統領と政権、親パク派勢力と近しい関係にあったという過去の行動が、パン・ギムンにとって足を引っぱりかねなかった。パン・ギムンは戦略を変更せざるを得なくなった。積極的に政界にコミットし、改憲を切り札として、既存の政党に捕らわれない自身を中心とした国民統合型の救国政権を樹立させるという大義名分を打ち出した。保守・進歩という既存の枠組みを取り払ったところで国民にアピールしようと考えたわけだ。