金正男暗殺は10名が関与、4人は国外へ 現地警察が初会見
逃走中の容疑者らは帰国済み?
一方、19日夜になってシンガポールのチャンネルニュースアジアは、金正男暗殺事件の容疑者として警察当局が行方を追っている北朝鮮国籍の4人について、既に北朝鮮の平壌に戻っていると報じた。それによれば、マレーシア警察消息筋の話として北朝鮮国籍の男4人は、暗殺事件当日の13日、クアラルンプールを離れてインドネシアのジャカルタへ移動。その後、ドバイを経てロシアのウラジオストクに飛び、そこから平壌行きの便で帰国したとされる。
マレーシアの中国語メディア中國報も、これら4人の容疑者が犯行後4日ぶりに北朝鮮に戻ったと報じた。また3カ国を経由して4日後に平壌に到着したのは、マレーシア警察の捜査を混乱させ追跡を逃れるためだったと分析している。
マレーシア警察当局は記者会見で、この北朝鮮国籍の男4人は1月31日〜2月7日の間にそれぞれマレーシアに入国した後、犯行当日の13日に4人とも出国したことを明らかにした。出国先については明らかにしなかったものの、インターポールと協力して彼らの行方を追っていると説明している。
北朝鮮大使館への遺体引き渡しには否定的
また、マレーシア警察は19日の記者会見で、焦点となっている金正男の遺体引き渡しについて、北朝鮮大使館ではなく、遺族に引き渡す意向を明らかにした。
韓国メディアNEWS1によれば、マレーシア警察は「金正男の遺体を引き受ける優先順位は遺族にある」と明言。さらに「金正男の家族が遺体を引き取るためにはマレーシアに直接来なければならない」とした。
NEWS1は、金正男の遺族について、最初の妻として知られるシン・ジョンヒは中国政府の保護の元、北京で娘と共に暮らしている。愛人のイ・ヘギョンはマカオで息子のキム・ハンソル、娘のキム・ソルヒと暮らしている。またマレーシア政府に遺体引き続きを求めたとも言われる。さらにマカオにはもうひとりの愛人ソ・ヨンラもおり、遺体引き渡しについてもすんなりとはいかないもようだ。