CIAを敵に回せばトランプも危ない
2017年1月23日(月)19時42分
「情報機関に狙い通りの人材を集めるには、候補者の理想主義や挫折感を巧みに操るのが常套手段だ」とカールは本誌に語った。「そのために、自国の理想を政府に裏切られたという感情や、アメリカのためにスパイ行為に及ぶのは愛国心ゆえの行為だという相手の想いをかき立てる」
カーリーが懸念するのは、拷問の復活を含めてトランプが意欲を示す非アメリカ的な政策をゴリ押しすることで、アメリカの調査員が敵対国のスパイに寝返ってしまうことだ。過去にもそんな例があった。有名なのは第二次世界大戦中、ジュリアス・ローゼンバーグとエセル・ローゼンバーグ夫妻がソ連のスパイとなり、アメリカの原子爆弾の機密をソ連側に渡していたとして処刑された事件だ。
「今、アメリカの安全保障政策の根幹が揺らいでいる」とカーリーは言った。「対中戦争やNATOの崩壊、ロシアの覇権拡大に、幻滅や反感を感じる米当局者がこれから恐らく出てくるだろう。外国のスパイはそこにつけ込める」
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