警官に抑え込まれた反トランプ派、200人以上逮捕
事前の宣告通り、ある抗議団体は就任パレードの経路にあたる沿道や、イベントが開催される国立公園「ナショナル・モール」の周辺で、手荷物検査のために設けられた検問所を閉鎖しようとした。周囲8キロメートル四方にはフェンスやバリケードが設置されたが、いくつかの出入り口は除外されていた。抗議者たちはその隙間を狙い、4年に1度の大イベントに集まるお祭り騒ぎの観衆の出入りを阻止しようとした。最も激しい衝突があったのは、パレードの沿道にあたる14番街とペンシルベニア・アベニューが交錯する検問所だ。環境保護を訴える数百人の抗議者が腕を組んで人の鎖を作り、観衆たちの通過を拒んだ。
全身をピンクでまとったフェミニストの抗議団体も、パレードの経路上にあたる10番街とEストリートで同様の妨害活動を行った。ただしこちらは検問所の代わりに歩道を封鎖し、人々の往来を妨げる作戦。「私たちの力で就任式の進行をマヒさせることができた」と、メガホンを持った女性は高揚して言った。だが実際は違った。観衆は順次入口の通過が可能な状態で、他の検問所ではまったく妨害を受けずに列に並べたのだから。
オバマと比べて聴衆半減
トランプの就任式が進行するにつれて、人々はパレードの経路の方向へ流れていった。大勢の人がトランプグッズを身にまとっていたが、なかにはトランプに抗議する看板を掲げ、民主党の候補指名を最後まで戦ったバーニー・サンダースやヒラリー・クリントンのTシャツをこれ見よがしに着て歩く人々もいた。治安当局の見通しでは、トランプの就任式とパレードを見にワシントンを訪れる人は80万~90万人。黒人初の大統領となったバラク・オバマの2009年の就任式に詰めかけた、史上最多の180万人から半減だ。その当時に比べると、市内一帯は明らかに空いている。就任式当日の朝を迎えても、中心部へ向かう地下鉄のホームや車内は異様なほどがらがらだった。
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21日には参加者25万人と見込まれるデモの他、世界中で100以上のデモが計画されている。