パン・ギムンが韓国大統領選へ事実上の出馬表明 国内の反応は?
救国の士になるか、政界混乱に拍車をかけるか......
一方、パン・ギムンを迎える韓国国内の反応はさまざまだ。
「パン氏の帰国後に、大統領選挙のスケジュール、政治日程に関連する言葉をいただく機会があると信じる」と語ったのはセヌリ党のチョン・ジンソク前院内代表。国会内で記者団に「時間が経てば、パン氏と行動を共にする賛同する現職議員が相当増えると思います」とも語り、パン大統領を担ぎ出すためのグループを集めることもにおわせた。
一方で冷ややかな反応も聞こえる。「結論として申し上げますと、過去の例を見てもそうですが、"第3地帯"は蜃気楼に過ぎないのです」と語ったのはオ・サンホ共に民主党院内代表だ。同党のムン・ジェイン前代表が大統領選の最有力候補であることを踏まえての発言だが、確かに国連事務総長として2期10年にわたって韓国政界を不在にしたパン・ギムンは、国内での地盤が脆弱な面は否定できない。
事実、世論調査機関アルエンサーチの12月3週の次期大統領候補支持率では、ムン・ジェイン46.2%に対し、パン・ギムンは36.3%に留まっている。この状況を打破するためには、セヌリ党の反主流派や、共に民主党以外の野党と手を組むなど、支持基盤固めが求められる。
パン・ギムンが韓国に帰国するのは1月中旬。自らが語った「国民不在の今の韓国政界」を一新できるか、それとも自身を中心にした政界再編の波に飲まれ、自ら国民不在の政治の中心となってしまうのか。今後の動きが注目される。