【写真特集】ノーベル平和賞「52年間内戦」コロンビアの今
ノーベル賞という国際社会の"アシスト"が奏功したのかもしれない。国民投票での否決後、政府はFARCと修正協議を重ね、11月半ばに新たな和平合意案を作成、11月末に上下両院で可決・承認した(そもそも承認に国民投票は必要なかった)。反対派は今も存在し、合意をどう履行していくかが問われるが、これでともかく内戦は終結した。FARCは今後、ゲリラたちの武装解除と社会復帰を進め、合法的に政治参加していくことになる。
サントスの受賞発表時、シリア内戦下のボランティア団体「ホワイト・ヘルメット」など、他にもっと授与すべき対象がいたのではないかといった声が上がった。その是非についてここでは述べないが、ノーベル平和賞は元来、過去の功績よりも、平和遂行という将来への期待を込めて授与される傾向がある。
【参考記事】「ホワイト・ヘルメット」を無視するノーベル平和賞の大罪
その意味では、サントスの受賞は"成功"だったかもしれない。一度は頓挫しかけた和平合意を後押しする役目を果たしたのだから。
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
撮影:マッズ・ニッセン
1979年生まれ。デンマーク在住。2015年にはロシアのゲイカップルの写真で世界報道写真賞(現代社会の問題の部、単写真1位)を受賞。今回、ノーベル平和センターの依頼により、サントス大統領の平和賞受賞発表後、コロンビアで数週間にわたり大統領とコロンビアの人々を撮影。内戦と暴力に疲れ果てながらも、平和を願い、一歩一歩前進を続けるコロンビア人のイメージを切り取った。
※ノーベル平和賞展示会「HOPE OVER FEAR」は、オスロのノーベル平和センターで12月12日から2017年11月26日まで開催。
Photographs by Mads Nissen for Nobel Peace Center/Panos