『ファンタスティック・ビースト』で始まる新たな魔法の冒険
――レッドメインもヒロインのキャサリン・ウォーターストンも、魔法の杖を使うのが難しかったと言っている。大人は、子供のようにいかないのだろうか。
彼らには杖のレッスンを受けてもらった。そこで私がアドバイスしたのは、魔法の杖は自分自身の延長であるということ。自分が思っていること、考えていることが腕を通して杖につたわる。そういう思いでやってほしい、と。もう1つは、手首をちょっと緩めて柔らかく使うこと。エディは比較的早くこつをつかんだが、キャサリンは時間がかかった。長身で手足も長いから、姿勢のバランスがうまく取れなかったみたいだ。
――役作りについて、レッドメインとどんな話をしたか。
エディには何カ月もかけて、肉体面、精神面で準備をしてもらった。ニュートは他人とうまくコミュニケーションできない複雑な役でもあるので、アレクサンドラ・レイノルズという動作のコーチに指導をお願いした。彼女は、エディがホーキング博士を演じた『博士と彼女のセオリー』から一緒に仕事をしている人。内向的な人物を演じるのに必要な動きを、エディとともに作り上げていった。
私たちもニュートというキャラクターを、撮影中も編集中もずっと探り続けていた。次の作品でもその探求は続くから、物語が進むにつれてエディの魅力がもっと出てくると思うよ。
【参考記事】『ファンタスティック・ビースト』で帰って来たハリポタの魔法の世界
――5部作になるそうだが、物語の構想は聞いている?
5週間前にロンドンで私とスティーブとジョーで会い、彼女がおおよその展開を教えてくれた。とても野心的な内容で、彼女自身もわくわくしていた。でも詳細は聞いていない。
どんな内容になるのかあまり話さないことが重要だと思っている。これまでは原作本があって何が起こるかみんな知っていたが、新シリーズでは映画になるまで誰も内容を知らない。だからできるだけ長い間、謎にしておきたいんだ。
――お気に入りの場面を挙げるとしたら?
ニュートとノーマジ(人間)のジェイコブ、ティナとクイニーの魔女姉妹が食卓を囲みながら、人生について話をする場面。ニュートとティナはぎこちなく、恥ずかしがって困っている。ジェイコブとクイニーはとても嬉しそうで、恋に落ちていく。この2組の対比がすごく深いし、面白い。4人のキャラクターがお互いを知るところだ。
<特別編集ムック発売のお知らせ>
好評発売中!
ニューズウィーク日本版 SPECIAL EDITION
『ハリー・ポッター』魔法と冒険の20年
CCCメディアハウス