トランプを大統領にした男 イバンカの夫クシュナーの素顔
大統領首席補佐官に指名されたラインス・プリーバス氏は、14日、NBCの番組「トゥデイ」に対し、クシュナー氏は「明らかに」意志決定に深く関わることになるだろうと述べた。クシュナー氏は、トランプ氏の政権移行チームに名を連ねている。
父の跡を継いで
クシュナー氏はハーバード大学を卒業し、ニューヨーク大学でも法学の学位と経営学修士(MBA)を取得。トランプ氏同様、クシュナー氏も不動産業界の大物である父親の跡を継いだ。
彼の父チャールズ・クシュナー氏は、不動産デベロッパー、慈善活動家、そして民主党への大口献金者でもあるが、センセーショナルな刑事事件により、その評判は地に墜ちてしまった。2004年、彼は脱税、証人買収、選挙資金の違法献金など計18件の訴因で2年間の実刑判決を受けた。
この裁判において、彼は、検察官に協力的だった義弟の評判を落とすために、売春婦を雇ってモーテルの1室で義弟と関係を持たせ、その様子を密かに撮影したビデオを義弟の妻、つまりチャールズ・クシュナー自身の妹に送りつけた。奇妙な偶然だが、チャールズ・クシュナーを訴追した検察官は、現在のニュージャージー州知事で、やはりトランプ氏の顧問として活動しているクリス・クリスティー氏だった。
息子のジャレッド・クシュナー氏は正統派ユダヤ教徒で、妻のイバンカさんも結婚前にユダヤ教に改宗している。クシュナー家ではユダヤ教の戒律に従った食事をとり、安息日を守り、ニューヨークのアッパーイーストサイドにある上流階級向けのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)に通っている。
反ユダヤ主義をめぐる論争
右派ウェブサイト「ブライトバート・ニュース」を主宰していたスティーブン・バノン氏は8月、トランプ陣営の責任者に就任。当時の関係者によれば、トランプ氏とその子女、それにクシュナー氏がバノン氏のアドバイスと分析を信頼していることが明らかになったことを受けての動きだという。