トランプを大統領にした男 イバンカの夫クシュナーの素顔
「ブライトバート・ニュース」は、白人至上主義者、反ユダヤ主義者、その他多文化主義に反発する人々による緩やかなネット上での連携である「オルタナ右翼」運動と深い関係がある。
来年1月20日に大統領に就任するトランプ氏は、13日、バノン氏を首席戦略官・上級顧問に任命した。
クシュナー氏が経営する新聞で記者として働くユダヤ人のダナ・シュワルツ氏は7月、トランプ氏がツイッターへの投稿で、100ドル紙幣を背景にした「ダビデの星」の画像を使ってクリントン氏の政治腐敗を攻撃したことを批判。その後、大量の反ユダヤ主義的なツイートを浴びせられたシュワルツ氏は、クシュナー氏に公開書簡を書いた。
シュワルツ氏の文面は、こうだ。「あなたはどうしてこんなことを認めているのか。そう、あなたがこれを認めている。(トランプ氏の)背後に、娘婿であるあなたが黙って微笑みながら立つことによって、彼の支持者のなかでも最も憎悪に溢れた人々に、あなたは暗黙の承認を与えている」
クシュナー氏はこれに応え、オブザーバー紙に「私が見るところ、『レイシスト』『反ユダヤ主義者』といった非難があまりにも無頓着にやり取りされており、そうした言葉が意味を失ってしまいかねない」と書いた。
さらに、自分の祖父母はナチスによるホロコーストを免れた生存者だが、他の親戚はそうではない、と述べた。「現実の危険な不寛容と、政治的な得点稼ぎのために応酬されているレッテル貼りの違いは分かっている」とクシュナー氏は書いた。
クシュナー氏は父親が有罪判決を受けた後、20代半ばにして不動産業界の主役となった。2006年、彼が26歳のときには、単一のビル購入としては米国史上で最高額となる取引、すなわちマンハッタンの5番街にある41階建ての高層ビルを41億ドルで購入する案件を手配した。
クシュナー氏はその後、業界誌「リアル・ディール」に対し、「ニューヨークでは機敏に動かなければ、他人の後塵を拝してしまう」と語っている。
(翻訳:エァクレーレン)
[ワシントン 15日 ロイター]