現実路線に変身のトランプに支持者が反旗? 「公約破りなら圧力も」
「彼は壁を築いてくれるだろうし、シリア難民問題にも気を配ると思う。オバマケアも廃止するだろう。そういうことを彼がやらない可能性はゼロだ」と彼女は言う。
だが、議会の過半数を共和党が維持しているとはいえ、トランプ氏の計画は部分的な制約や譲歩を受け入れざるを得ないだろう。多くの共和党員は、たとえば貿易協定からの脱退やインフラ改善に向けた政府支出拡大といった提案には難色を示している。
すでにトランプ氏の計画の一部は撤回を強いられている。
トランプ氏が最も大きな期待を寄せられているのは移民問題だ。選挙戦のあいだ、メキシコに費用負担させて国境に壁を建設する、ムスリムの入国を一時的に禁止するといった、注目を集める提案を非常に強調していたからである。
だが最近になってトランプ氏が示しているのは、当初は前科のある不法移民のみを国外退去させ、その後、過去に公約していたようにすべての不法滞在外国人を退去させるが、ムスリムの入国禁止については、一部の国々からの移民について「非常に厳しく審査」するという程度に軟化している。
「オバマケア」については、10日にオバマ大統領と話した結果、完全撤廃の要求を緩め、一部をそのまま残すことも検討するとトランプ氏は11日、ウォールストリート・ジャーナル紙に語っている。
時間が必要か
コロラド州を本拠に活動する民兵団体「スリーパーセント・ユナイテッド・パトリオット」の指導者であるマーク・モリス氏は、一部の問題についてはトランプ氏にも時間が必要だろうと理解を示す。ただオバマケア廃止と、亡くなったアントニン・スカリア氏の後継となる連邦最高裁判事の人事については、迅速に動くことを期待しているという。