脱社畜は可能? 残業規制へ労基法改正案を来年度国会提出へ
経団連は「過労死基準」と呼ばれる月80時間や、割増賃金が上がる60時間などを基準として連合との間で歩み寄りを探る。
さらに運転手や建設労働者など現行法で規制の例外業務となっている職種にも、経団連、連合の両者で適用を検討する。
このほか、法律に違反した場合に適用される罰則(現行:罰金30万円あるいは6カ月以下の懲役)規定を強化することなども検討対象になる見通し。
安倍首相は9月27日の「働き方改革実現会議」で、来年3月まで「働き方改革実行計画」をまとめるよう指示。その中で「具体的な実行計画」という表現を用い、「大切なのはスピードと実行。先送りは許されない」といった強い表現も使って、「36協定」に関する法令の見直しへ強い決意を示した。
また、電通<4324.T>で過労死事件が発生し、政府関係者の間では「時間外労働の規制議論はここへきて、より厳しい空気となっている」との受け止め方が浮上。
複数の関係筋は、労働基準法36条とその関連法案だけの見直しならば、来年6月末までの通常国会にか、同年中の臨時国会のどちらかに改正案を国会提出することは可能との見通しを示している。
今回の法改正問題について、厚生労働省は「36条改正について、具体的な法案提出時期のメドは決まってはいない。できるだけ早期に提出したい」(労働基準局)とコメントしている。
(中川泉 編集:田巻一彦)