日本人の「自信がない」は嘘、原因は「感染」にあり!?
自信は感染する。自信のなさも感染する
もうひとつ、この本の面白いところは、ほぼすべてのページに、古今東西の偉人・有名人の名言が載っている点だ。ページ下の欄外部分に、その項目に合った(と著者が判断した)発言が引用されている。定番のソクラテスや老子に始まり、ピーター・ドラッカーからドナルド・トランプ、さらには、くまのプーさんまで。これらを眺めていると、「もっと自信のある人間になりたい」という願望が人類共通の永遠のテーマであることがわかる。
「自信は感染する。自信のなさも感染する」 ――ヴィンス・ロンバルディ[アメリカンフットボールコーチ](1 自信の本質/p.10)
「自分にはできると信じれば、半分は達成されている」 ――セオドア・ルーズベルト[第26代米大統領](26 自信がある人を真似る/p.138)
「チャンスがノックしてこなければ、ドアを作ればいい」 ――ミルトン・バール[俳優](50 自信を共有する/p.260)
著者は、自信のなさを受け入れることが自信につながる、と述べている。自信に満ちた人というのは、自信がない部分について思い悩まない。なぜなら、「自信がない」もまた感情の状態にすぎないからだ。
日本人に関して言えば、この「自信がない」を少々受け入れすぎているように思う。ロンバルディの言うように、それが感染しているような気さえする。だから、もっと「自信がある」部分に目を向けてもいいのではないだろうか。著者は「本物の自信とは謙虚なものだ」とも言っている。謙虚さを重んじ、傲慢になることを恐れる日本人には、それこそが最大のヒントになるのかもしれない。
【参考記事】レジリエンス(逆境力)は半世紀以上前から注目されてきた
『どんなときも絶対折れない自分になる 自信の秘密50』
リチャード・ニュージェント 著
前田雅子 訳
CCCメディアハウス