最新記事

2016米大統領選

【写真特集】究極の選択をするアメリカの本音

2016年11月1日(火)20時12分
Photographs by Q. Sakamaki

photo_voters161101-5.jpgtrump_mark.jpgジョン・ビュッテンミューラー(84)
年金生活者
マンハッタン郊外のロングアイランドで息子夫婦と孫と暮らす。「ヒラリーは女性の代表でも何でもないし、腐敗している。トランプなら現状を変えられる。ビジネスにとっても詳しいし......。だから私はトランプに投票する」。史上初の女性大統領を目指すクリントンだが、白人女性からの支持集めには苦戦してきた

photo_voters161101-6.jpgclinton_mark.jpgメルバ・ウィルソン(40代)
レストラン経営
ハーレムの人気レストランのオーナーで、クリントン支持者。「ヒラリーは小規模ビジネスや非白人を支援しているが、トランプは人種や宗教で人をステレオタイプ化する。ヒラリーには希望を感じるけど、トランプが世界を良くするとはまったく思えない」。トランプはかつて、オバマ大統領の米国籍を疑問視する「バーサー運動」を展開した

【参考記事】レストラン経営者「私はヒラリーの大ファンだ」

photo_voters161101-7.jpgclinton_mark.jpgアンドルー・セラーロ(62)
弁護士
マンハッタンの個人事務所で移民関連の案件を専門とする弁護士。メキシコ国境に壁を築くというトランプの移民政策を最も懸念している。「アメリカとメキシコだけでなく、他の国々との関係も悪化させることになる。ヒラリーも好きではないが、トランプよりは責任感を持って(大統領職を)務めるだろう。だから私はヒラリーに投票する」

photo_voters161101-8.jpgtrump_mark.jpgピーター・ラール(77)
元大手銀行重役
ニューヨーク郊外の邸宅で妻と暮らすラールは、夫婦そろって共和党員。亡き父デービッドはマッカーサー元帥の直属の部下だった。「トランプは嫌いだが、残念なことに彼に投票せざるを得ない。最高裁判事の顔触れが民主党寄りになることだけは阻止しなければ」。教養のある共和党員の間で、最高裁を重要事項に挙げる声は少なくない

【参考記事】元大手銀行重役「それでも私はトランプに投票する」

photo_voters161101-9.jpgbernie_mark.jpgネロリ・ビュッテンミューラー(17)
高校生
民主党予備選から撤退したバーニー・サンダースの熱心な支持者。「バーニーなら私たち若者の未来を良くしてくれる。(17歳の)私には投票権はないし、バーニーは撤退した。でも変革の動きを止めてはいけない」。ミレニアル世代からの支持集めに苦心するクリントンとは対照的に、学費無料などを掲げて若者を熱狂させたサンダースの人気は今も根強い

photo_voters161101-10.jpgclinton_mark.jpgダニカ・アンダーヒル(39)
クリエイティブ・ディレクター
夫と娘、2匹の猫と暮らす彼女はクリントン支持者。女性は今も男性と対等に扱われていないと考えている。「ヒラリーは教育や賃金面で女性にも男性と同等の権利を主張し、人工妊娠中絶を支持している。彼女は人生を懸けて懸命に働いてきたし、政治の現実を分かっている。彼女のほうが、アメリカだけでなく世界にとってもいいはず」

photo_voters161101-11.jpgclinton_mark.jpgサビール・サラン(43)
シェフ
マンハッタンでレストランを経営するインド人シェフ。93年にアメリカに来て永住権を取得したが、米市民権がないため大統領選では投票できない。それでも熱心なクリントン支持者で、特に教育政策や医療保険問題への取り組みを支持している。「扇動家、日和見主義、人種差別主義者」のトランプを大勢の人が支持している状況こそ、心配だと語る


撮影: Q.サカマキ
80年代はニューヨークの社会問題を、90年以降は世界の紛争地に生きる人々をテーマに活動。写真集『戦争──WAR DNA』『Tompkins Square Park』などがある。本誌ウェブサイトで「Imstagramフォトグラファーズ」連載中

Photographs by Q. Sakamaki for Newsweek Japan

<本誌2016年11月1日号掲載>

「Picture Power」の記事一覧はこちら

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中