中国の習近平主席、党内ライバル派閥「抑え込み」で権力確立狙う
もっとも、習氏は共青団派が完全に冷遇されていると感じないよう、きわどいバランスを模索している。もしそうなれば、胡錦濤氏の反感を買って党内の和が乱れるからだ。常務委員会ではないにせよ、共青団派のメンバーの一部は新たな地位を得ることになりそうだと関係筋は予想する。
たとえば、胡錦濤氏の息子である胡海峰氏については、中国東部の重要な港湾都市である寧波の市長(副大臣格の地位)への昇格が有力視されている。胡海峰氏は現在、上海近郊の嘉興市という、寧波ほど重視されていない都市の市長を務めている。同氏からのコメントは得られなかった。
また国営新華社通信の報道によれば、29日、習氏は党内への訓示のなかで、最近刊行された胡錦濤氏の著作を「党の政治建設及び党員の理論的訓練の重要な一部」であるとして、これを学習するよう呼びかけている。
共青団派のなかで台頭著しく、中国アナリストのあいだで将来の国家主席候補として話題になっているのが、広東省の党委員会書記である胡春華氏(53歳)だ。政治局員のなかでも最も若い2人のうちの1人であり、中国研究者からは、さらに常務委員へと昇格する最有力候補と見られている。
だが、関係筋によれば、広東省南部の漁村・烏坎村における抗議デモの収拾がつかなくなれば、胡春華氏の昇進のチャンスも危うくなる可能性があるという。烏坎村では民主的に選出された村長が投獄されたことに対し80日以上にもわたって抗議デモが行われていたが、9月に入って警察当局が取締りを行っている。
(翻訳:エァクレーレン)
[北京 30日 ロイター]