最新記事

フィリピン

ドゥテルテ比大統領、自らのアメリカ批判に「中ロが賛同」と明かす

2016年10月3日(月)19時40分

10月2日、フィリピンのドゥテルテ大統領は、米国に対する不満を語ったら、ロシアと中国から賛同を得たと述べた。写真は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の開会式に出席したフィリピンのドゥテルテ大統領。ラオスの首都ビエンチャンで9月撮影(2016年 ロイター/Jorge Silva)

 フィリピンのドゥテルテ大統領は2日、米国に対する不満を語ったら、ロシアと中国から賛同を得たと述べた。同大統領による新たな米国批判は、急速に脆弱化する米政府との同盟関係に挑むものとなる。

 ドゥテルテ大統領は、9月に東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議がラオスで開催していた折に、ロシアのメドヴェージェフ首相と会談し、自らの米国に対する非難について、同首相の賛同を得たと述べた。

「私はメドヴェージェフ首相と会った。そのことについて語りたい」とドゥテルテ大統領は演説した。「彼に今の状況を語った。(米国)につらい目に遭わされている、彼らは私に敬意を払っておらず、恥知らずだ」「すると首相は『それこそが米国人の姿だ。われわれが助けよう』と述べた」

 ドゥテルテ大統領は、米国に対する不満の詳細については語らなかった。

 ドゥテルテ大統領は、就任後開始した麻薬撲滅戦争についてオバマ米大統領が懸念を表明して以来、米国に対する憤りを強めている。ドゥテルテ大統領がオバマ大統領を「ろくでなし」と呼んだ後、米政府はラオスにおける米比首脳会談を中止した。

 ドゥテルテ大統領は2日、自らの米国への反発について、中国にも伝えたと話した。

 大統領によると、中国は、フィリピンが米国と組むことで得することはないと述べたという。その発言を行った中国当局者の名前や、その発言日時については、直ちに確認は取れなかった。

 大統領は最近の演説で、独自外交路線の一環として、特に通商貿易に関する中ロとの新たな協力体制の構築を繰り返し訴えている。

 複数の外交通商当局者はロイターの取材に対し、フィリピンの財界代表団が今月19―21日、ドゥテルテ大統領に同行し、訪朝する計画があることを認めた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米旅客機衝突墜落事故、死者60人超か 生存者なしの

ビジネス

米GDP、24年第4四半期速報値は+2.3%に減速

ワールド

グーグルの「アメリカ湾」表記変更は間違い、メキシコ

ワールド

ハマスが人質解放、イスラエル人3人とタイ人5人 引
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望している理由
  • 4
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 5
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 6
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 9
    世界一豊かなはずなのに国民は絶望だらけ、コンゴ民…
  • 10
    トランプ支持者の「優しさ」に触れて...ワシントンで…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 6
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 7
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 8
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 9
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 10
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中