サイバーテロが浮き彫りにしたIoT時代のネットセキュリティ
しかし、トイレットペーパーホルダーがインターネットに接続する必要はあるのだろうか? 残り少なくなったかどうかなど、通知されずとも見たらわかることではないか。
そして、ブタの貯金箱の中身がいくらあるかを知るためのアプリが本当に必要なのだろうか? スマートフォンやインターネットに繋がっていなくても、中にいくら入っているか表示するインターフェイスを備えたものは他にいくらでもある。
スマート水筒については触れたくもないのだが、我々は水を飲むのも忘れるほど馬鹿になってしまったというのだろうか。脱水を防ぐためや、水分補給を促すことを忘れる教員の代わりとして、使用されるのであればわからなくもない。
だが、数千年続いている我々人類は、水を飲む時間を教えてくれるような技術がなければ今日まで生きながらえていなかった、ということもないだろう。
我々が生きている現代というものは、あらゆる企業がいかに製品をIoTに結びつけようかと考えている時代だ。ジェフ・ゴールドブラム氏作 ジュラシックパークの登場人物のイアン・マルコムは、次のようなセリフを残している。「あの科学者たちは考えるのをやめるべきときでさえも、自分の考えで頭がいっぱいになっている。」
「セキュリティ」が国家を支える
IoTは、自動運転車やスマートハイウェイなどといった未来の訪れを示すものだ。我々が必要だと思う前にそのニーズが満たされ、あらゆる人がいつでも必要なときに必要な情報にアクセスできる世の中を作るという大掛かりな計画である。
そのビジョンの実現までに、技術の成長とそれに伴うセキュリティのバランスを取ることが重要だ。米国内3000万戸が、来年にはIoTデバイスで満たされると言われるなか、そのセキュリティが後回しにされてはいけない。攻撃は最大の防御、とよく言われるが、それと同様に「防御は最大の攻撃」でもあるのだから。
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個人的には、インターネット上のセキュリティを国家レベルで高めるため、セキュリティ関連の国家資格が近々誕生すると考えている。IoTの時代は、もうその域にまで達しているのだ。