サイバーテロが浮き彫りにしたIoT時代のネットセキュリティ
IoTで問題を解決する
IoTという新たな世界の誕生により、これまでとはまったく異なる類の問題が発生しており、セキュリティ専門家たちはここ数年にわたってこの問題の解決に取り組んでいる。シンプルに使えるものを、どうすれば安全にできるだろうか? シンプルさとセキュリティは、おいそれと両立できるものではない。IoTデバイスには、より堅固でアクティブなセキュリティ機能をオンボードで持つ必要があるだろう。
米国司法省は、先月セキュリティ脆弱性のあるIoT技術について警告を発したところだ。Dynへの攻撃が発生する数週間前のことである。DDoS攻撃は、ハッカーたちがシステムに入り込み、そのデータを使い物にならなくするようなものではない。しかし、「無数にある世界中のネットワークにセキュリティの欠陥が存在する」という現実を照らしだした。
多くのIoTデバイスは、マルウェアにより陥落させられる可能性がある。つまり、そのデバイスと同じネットワークにいる家のPCや企業のサーバ、政府のデータもその影響を受けることがあり得るということだ。これは、たとえば家のスマート歯ブラシが政府への大規模なメールハッキングの片棒をかつぐ可能性があるということだろうか? それは無いかもしれないが、それが政府のネットワークに接続されるべきものではないのは確かだ。
ユーザたち自身も大きな問題点となっている。平均的なユーザに、手持ちのPCを常に最新状態に更新しておくよう仕向けるのは難しい。トースターのシステムを定期的にアップデートさせるというのは見込みのない試みだろう。
そうなると、残った解決方法にはその場しのぎの苦しいものしかないことに気付く。たとえば、「なにかをネットに繋ぐ前にもう一度考え直しましょう」などだろうか?
混乱のIoT時代を生きる
だが、極端に考えないことも大切だ。素晴らしいIoTデバイスは世の中に多くある。個人的に、自動運転車のメリットは多いと考えているし、スマートテレビのない生活など考えられない。
問題は、現在のIoT世界が氾濫状態にあることである。多くの企業が、われ先にとあらゆるモノをインターネットの一部にしようとしている。