VR元年に攻める韓国、映画も没入感あふれる次世代上映が大ヒット
VRとも共存共栄を図る?
さて冒頭で紹介した映画「ヒマラヤ」は、スクリーンX上映が行われただけでなく、今年「元年」とも言われているVR上映もサムスンとの共同イベントで成功させている。映画館でサムスン社のVRヘッドセットを装着し、映画の見どころである壮大で美しいヒマラヤの映像を、観客に2分間体験してもらうというコンセプトだ。270°のパノラマ映像が、VRでの鑑賞にちょうど適しているのである。
映画業界の未来に明るい話題となったスクリーンXだが、問題点も指摘されている。代表的な否定的意見としては、「常に3面なわけではなく、ある一部の見せ場のみ突然3面での上映が始まるため、ストーリーに集中できない」というものだ。「ヒマラヤ」の場合でいうと雄大な自然を映し出したシーン、またアクション映画では立ち回りの見せ場だけが3面上映となり、今はまだ映画1本全編の3面展開は行っていない。観客の立場からすれば、3面になったり1面になったり、せわしなく感じてしまうのもうなずけるところだ。
また、撮影時点ですでにCGV系列スクリーンX館での公開が確定しているビックバジェットの大作しかスクリーンXは適用できない。どんなに素晴らしい表現手法であっても、それを活用したい若手の監督には、まだまだ手が届かないのが現状だ。
ただ、アニメーションに関しては事情が異なり、CGVは8月23日からスクリーンX上映用アニメーションの大々的な公募を発表した。多くの新しいアイディアと才能が発掘されるだろうと各業界から高い関心を集めている。