成人したら国外退去、中米の子供たちの末路
2016年9月26日(月)15時30分
怯えたアコスタは母親と相談し、アメリカへ行くことにした。密入国業者には、アメリカに入ったら国境警備隊の元へ出頭しろと言われた。メキシコとカナダの出身者を除く未成年の不法入国者は、アメリカ国内の家族または後見人に引き渡される規定になっているからだ。
送還されれば殺されると、アコスタは恐れている。人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが指摘するように、腐敗まみれのホンジュラスの警察は頼りにならない。一方、ホンジュラス当局は14年以降、身元保護を口実に児童保護団体による送還者の受け入れを禁じている。
アコスタは現在、ICEの施設に収容されている。今年6月の卒業を目指して学校の課題を施設宛てに送ってもらっていたが、卒業はかなわなかった。
今は、いつ送還されるかと不安を募らせる毎日だ。「常に命の危険を感じている。僕の夢は打ち砕かれてしまった」
[2016年9月20日号掲載]
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