中国機内誌が差別的記述、撤回しても消せない傍若無人ぶり
とはいえ、ヨーロッパを訪れた中国人旅行者が犯罪の標的になりやすいのは事実だ。
英ガーディアン紙は13年に、「中国人とアジア人の旅行者を狙った窃盗事件がここ2年で急増した」と報じた。その一因として同紙が指摘したのは、「中国人旅行者はしばしば多額の現金を持ち歩き、高級ブランド店の紙袋を提げている」ことだ。
先月にはパリ郊外で中国人男性が3人の強盗に襲われ、その後に死亡する事件が起き、フランスに住む中国人に大きな衝撃を与えた。報道によると、中国人は外国、特にフランスで派手に散財するため、犯罪の標的になりやすいという。
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だからといって、「移民地区には近づくな」式のアドバイスはいただけない。中国当局と航空会社の迅速な対応は評価できるが、この事例が氷山の一角であることは否めない。中国政府は倫理基準や社会的なマナーの普及に努めているが、長期にわたって道徳規範を欠いていた社会で浸透は難しいかもしれない。
先週、韓国済州島の飲食店で中国人客8人が女性店主に飲み物の持ち込みをとがめられたことに怒り、店主や他の客に暴行を働く事件が起きた。こうした傍若無人な態度は、中国政府が国際社会で見せる尊大な姿勢と無縁ではなさそうだ。
From thediplomat.com
[2016年9月27日号掲載]