【写真特集】中国マネーを絞り取る欧州「悪質」弾丸ツアー
【DAY 1】ロンドン 前日夜に到着した一行はテムズ川のタワーブリッジからバッキンガム宮殿、国会議事堂、大英博物館と名所巡り。カメラはフル回転
2003年には約1000万人だった世界の中国人観光客は、14年には1億1000万人以上に急増。歴史遺産が多くて買い物も楽しめるヨーロッパは人気の旅行先だ。パスポートを持つ中国人はまだ10%に満たないから驚異的な増加は今後も続くだろう。
バスから降りてエッフェル塔の前で自撮りし、すぐ次の場所へ――そんな中国人団体客の姿にパリっ子の私はおかしさと同情を感じていたが、やがて彼らと一緒に旅することを考え始めた。申し込んだのは10日間で2000ユーロのツアー。15年4月、英ヒースロー空港に着いた一行との6カ国の旅が始まった。
旅の中身はまさに中国流だった。宿泊先は安い郊外のホテルで、食事は中華料理店。地元の人と触れ合うのは高級店で買い物をするか、幹線道路で休憩するときくらい。欧州に関するガイドの知識もお粗末なものだ。
好奇心から始めたこの計画は、写真による抗議声明へと変わった。サービスの質と有意義な体験を犠牲にして、消費を促す悪質なシステムへの抗議だ。あるツアー客はつぶやいた。「ヨーロッパの印象は? と聞かれたら、『何も』と答えるだろうな」
【DAY 2】ロンドンを離れて
午前はロンドンから約40キロの場所にあるエリザベス女王の公邸、ウィンザー城へ
【DAY 3】パリへ(1)
早朝にユーロスターでパリへ
【DAY 3】パリへ(2)
午後のベルサイユ宮殿見学は1時間も滞在できない