ゴミ処理問題をIoT活用で「ビジネスチャンス」に
<21世紀の人類の課題であるゴミ処理問題。それをIoTで解決しようという動きが出てきた>
専門家の予測では、2020年までに500億ものコネクテッドデバイスが世に出回るという。そしてIoTと言われて思いつくのは、自動運転車やフィットネスウェアラブル、スマートホームといったところだが、IoT技術に関連して非常に実用的な分野でもっともいい活用例がある。ゴミ管理などはその一例だ。
アメリカでは、毎年2億3000万トンのゴミが排出されている。これは、1日に1人あたり4.6ポンド(約2キロ)のゴミを出している計算になる。限りあるゴミ収集予算や人口増加により、このゴミ問題はアメリカに限らず人類が直面している危機の一つだ。特に日本は人口に対してゴミ排出量がダントツに多いことで有名である。
しかし、解決法はある。持続可能性を求めIoTに目を向ける企業は、ゴミ問題を課題であると認識すると同時に、より低コストで効率の高いソリューションを生み出すチャンスでもあると考えている。事実、彼らはすでにセンサー技術の革新によって、かなりの進歩を遂げようとしているのだ。
センサー技術と経路の最適化
IoT企業が活用しているセンサーの1つに、超音波レベル計がある。もともとはスラリーや液体を測定するために設計されたものだが、ある企業や自治体は、固形廃棄物を測定するためのセンサーに応用している。
超音波レベルセンサーは、波の反射を計測することで機能するものだ。ゴミの嵩(かさ)がある程度の高さを超えると、エコロケーションのようなプロセスでセンサーに反応が返ってくる。ゴミ箱内部に取り付けられるゴミ量監視レーダーシステムみたいなものだと考えればいいだろう。