最新記事

自動車

自動車はどこまで自動化すれば自動運転車になる?

2016年8月31日(水)10時08分
キャスリーン・ロー・ホイク ReadWrite[日本版]編集部



テスラの自動走行システム


5段階の自動化レベル

 レベル0-4までの各レベルの説明は以下の通りである:

【Level 0:非自動化】
Level 0は、自動化されていない現在我われが日常見かける自動車である。ドライバーは車のすべてをコントロールしなければならない。

【Level 1: 一部機能の自動化】
Level 1は、一部の機能が自動化された自動車である。安全運転はドライバーの責任だが、運転の一部を自動化機能に任せることができる。たとえば、クルーズコントロールや衝突回避、自動ブレーキなどがその例である。これらが複数備わっている場合、それぞれは単独で機能する。

【Level 2: 複合機能による自動化】
レベル1と比較し、レベル2は少なくとも2つのコントロール機能を自動で提供する。特定の状況下において、ドライバーは運転をこれらの機能に任せることはできるが、安全運転はドライバーの責任であるため、自動車からの突然の通知にも反応することが求められる。

【Level 3: 限定的な自動運転化】
このレベルの自動化では、ドライバーは特定の交通や状況下において安全上重要な機能を自動車にすべて任せることができる。ドライバーが運転できることは必要とされるが、常に路上から目を離さないということは想定されていない。このレベルの自動運転車は、ドライバーが運転をコントロールしない限り、単独で動作するよう作られている。

【Level 4: 完全自動運転車】
運転者なしで、自動車がすべてのコントロールを握り、走行中の安全の責任を負う。ドライバーが運転する必要はない。

 これらのレベルはNHTSAが定義したものであるが、SAE Internationalなど他の企業も自動走行の定義を模索している。彼らの定義するレベルは6段階に分かれており、0から5まで存在する。

 ちなみに、東京オリンピックをひかえた日本はNHTSAの5段階定義を採用しており、内閣府の発表した研究開発計画によると、2020年には「東京の発展と高齢化社会を見据えた、わが国の次の世代に資する次世代交通システム(ART:Advanced Rapid Transit)等を実用化する」としている。

 車の自動化に消極的な印象のあった日本だが、あと3年でどこまで市場を成長・成熟させられるのだろうか。同時にスマートシティ化も進めなければ、後々やっかいなことになるのは間違いない。政府と民間が手を取り、同じ目的のため1つになることが必須といえるだろう。

 

footerlogo.png
ReadWrite[日本版]編集部

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

2月完全失業率は2.4%に改善、有効求人倍率1.2

ワールド

豪3月住宅価格は過去最高、4年ぶり利下げ受け=コア

ビジネス

アーム設計のデータセンター用CPU、年末にシェア5

ビジネス

米ブラックロックCEO、保護主義台頭に警鐘 「二極
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中