マンガの次はポケモンGO、それでも遠いコンテンツ大国の道
8月5日、「ポケモンGO」の世界的ブームで日本勢のコンテンツビジネスに注目が集まったが、トップの米国に大きく水を空けられており、「知的財産権大国」への道は遠い。2013年、ブリュッセルで開かれたジャパンEXPOで、アニメキャラクターに扮したファン(2016年 ロイター/Francois Lenoir)
「ポケモンGO」の世界的ブームで日本勢のコンテンツビジネスに注目が集まったが、トップの米国に大きく水を空けられている。産業技術を含めた知的財産権収益は、米国に次ぐ世界2位とはいうものの、実態は企業の親子間取引が多数を占め、「知的財産権大国」への道は遠い。
企業意識の転換や公的統計の早急な整備など、大きな変革が求められている。
出遅れるコンテンツ販売
毎年10月に東京・お台場で開催される「国際コンテンツ見本市」。映画やテレビ番組、音楽、アニメ等の主要コンテンツを世界へアピールし、海外展開を促進するため、経済産業省やコンテンツ産業にかかわる団体が主催している。2015年は内外から347団体が出展、商談件数は前年比17%増となった。
A.T.カーニーの分析によると、世界市場における日本のマンガ売上高シェアは24%、ゲームコンテンツは20%弱を占め、人気を博している。
しかし、映画や音楽、キャクラター物販も含めたコンテンツ市場全体でみると、5500億ドルのうち、日本のシェアは2.5%、138億ドルに過ぎない。
このうちテレビ番組や映画、DVDなど「放送コンテンツ」をみると、2013年に米国は183億ドルを稼ぎ、次いで英国の44億ドルと続くが、日本はわずか2億ドルに過ぎない(情報通信研究所の調査結果)。
この現状について、経済産業省の商務情報政策局では、国内のコンテンツ関連企業が海外への売り込みに関心が低かったことが関係しているとみている。
同局の関係者は「日本国内のコンテンツ市場が大きいため、これまではコンテンツ業界の海外展開への意識が低かった。アジアでは文化規制や表現規制、自国コンテンツの優先主義などもあり、市場拡大が遅れた面もある」と指摘する。