最新記事

リオ五輪

大気汚染で年間数千人が亡くなる街リオ、五輪選手にも影響か

2016年8月3日(水)20時25分

残念な現実

 政府当局データによると、2008年のオリンピック開催時の北京市のPM10は82マイクログラムと、リオ市内の値をかなり上回っていた。2012年のオリンピック時のロンドンは23マイクログラムだった。

 オレゴン州立大学のスタチ・シモニッチ教授の研究によると、各都市のオリンピック開催時のPM10値は、アテネ(2004年)が44マイクログラム、シドニー(2000年)が24マイクログラム、アトランタ(1996年)が28マイクログラムだった。同教授は、リオデジャネイロの高いPM10の値について、残念な現実だが、他の発展途上国と共通していることだと述べた。

 ロイターは、サルディバ氏の研究チームと協力してINEAのデータを分析するとともに、リオ市内の複数の場所で、別の大気汚染物質である微小粒子状物質「PM2.5」の値を測定した。INEAによると、2011年以降、リオ市内のPM2.5はWHOの年間基準値を83%上回っている。

 調査では、オリンピック公園とオリンピック村の前、コパカバーナビーチのバレーボール競技場付近、オリンピック競技場の外などで1時間当たりのPM2.5を22回測定した。

 WHOは1時間当たりのPM2.5基準値は設けていないが、24時間平均(25マイクログラム)と、年平均(10マイクログラム)の基準値を設定している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格、10月前年比+2.3%に伸び加速 イ

ワールド

トランプ氏指名の閣僚候補らに脅迫、自宅に爆破予告な

ビジネス

米GDP、第3四半期改定値は+2.8% 速報値から

ワールド

韓国大統領、ウクライナ代表団と会談 武器支援要請と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 3
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウクライナ無人機攻撃の標的に 「巨大な炎」が撮影される
  • 4
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「健康寿命」を2歳伸ばす...日本生命が7万人の全役員…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持…
  • 9
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 10
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中