大気汚染で年間数千人が亡くなる街リオ、五輪選手にも影響か
残念な現実
政府当局データによると、2008年のオリンピック開催時の北京市のPM10は82マイクログラムと、リオ市内の値をかなり上回っていた。2012年のオリンピック時のロンドンは23マイクログラムだった。
オレゴン州立大学のスタチ・シモニッチ教授の研究によると、各都市のオリンピック開催時のPM10値は、アテネ(2004年)が44マイクログラム、シドニー(2000年)が24マイクログラム、アトランタ(1996年)が28マイクログラムだった。同教授は、リオデジャネイロの高いPM10の値について、残念な現実だが、他の発展途上国と共通していることだと述べた。
ロイターは、サルディバ氏の研究チームと協力してINEAのデータを分析するとともに、リオ市内の複数の場所で、別の大気汚染物質である微小粒子状物質「PM2.5」の値を測定した。INEAによると、2011年以降、リオ市内のPM2.5はWHOの年間基準値を83%上回っている。
調査では、オリンピック公園とオリンピック村の前、コパカバーナビーチのバレーボール競技場付近、オリンピック競技場の外などで1時間当たりのPM2.5を22回測定した。
WHOは1時間当たりのPM2.5基準値は設けていないが、24時間平均(25マイクログラム)と、年平均(10マイクログラム)の基準値を設定している。