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ロボット化の波は農業にも──「望んで仕事を奪う」わけじゃない、すべては「人次第」だ

2016年8月1日(月)12時12分
ReadWrite[日本版]編集部

<「ロボットが人から仕事を奪う」とは最近よく聞く言説である。しかし、これは本当に真実なのだろうか? 今回は、農業におけるロボットについて調べてみた>

 結論として、ロボットは今後20年でよりスマートに、安価に、そして効率的になり、農業にまつわる業務をすべて担当できるようになるだろう。Lux Researchの最新レポートは、「ロボットや自動化システムが農業をどのように変えうるか」について述べている。

 現在、多くの農家にとって、ロボットは経済的に導入できるようなものではなく、これまでのテストでもロボットの労働効率は「人と比べて低い」という結果が出ていた。加えて、さまざまな作業を行える人間と比べてロボットは数えるほどの機能しか持っていない。

 しかしLuxは、「近い将来、人を雇うより安いだけでなく、作業をより正確かつ効率的に行える農業ロボットを目のあたりにすることになる」と主張する。これは、農家にとって収穫率が高くなるだけでなく、休憩を必要としない労働力が手に入ることを意味している。

AG robot affordability

 上のグラフは1エーカー(4046.86平方メートル)あたりのレタスの間引き機および刈り取り機の人件費と比べたコストを表したものだ。今後10年単位で見ていくと、すでにレタス刈り取り機は1エーカーあたりにかかるコストが50ドル安く、間引き機も2027年までには人が行った場合と同じコストになる。

 じつは、トウモロコシのような他の作物において自動化システムが現場に導入されている例がすでにある。トラクターや収穫期の自動操縦システムなどは市場の10%を占めるまでになっており、「2020年になる頃には、導入にかかるコストも気にならない程度になっているだろう」とLuxは予測している。

 また、日本のイチゴ農家の平均年齢が70歳になっていることにも触れており、この世代が現役を退くことになれば自動化システムの導入も避けられないだろうと述べている。

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