ロボット化の波は農業にも──「望んで仕事を奪う」わけじゃない、すべては「人次第」だ
ロボットは本当に人の仕事を奪うのか?
このレポートが示すところは全人類が農業から追い出されるというわけではない。人はメンテナンスや仕分けなど、ロボットには向いていないタスクに従事することになると言っているのだ。好意的に見れば、合理的なパソコンではカバーできない"よりクリエイティブな"部分を担う余裕が生まれるということだろう。
現在、農業という分野がGDPで占める割合は米国でも5%未満であり、ほとんどの先進国ではあまり重要でない分野となっている。Momagriによると、過去50年の農業における雇用は30〜4.2%にまで低下しているという。
しかし、アフリカやオセアニアではそれぞれ52%、59%と、国民にとって未だに主な職であり収入源でもある。発展途上国全体における農業は、いまだ雇用全体の48%を占めているのだ。
農業市場へのロボットの参入は、アフリカ各国にとっては1980年代の中国のように急速な都市化を引き起こす要因となるだろう。都市化を進化と好意的に捉えるのであれば喜ばしい話だが、地域によってはただ単に職探しに苦労するだけにすぎないかもしれない。
ただ1つ言える確かなことは、「ロボットに意思はない」ということである。すべては人次第なのだ。