黒田緩和「検証」で枠組み転換の思惑、マイナス金利見直しも
2016年7月30日(土)09時18分
マイナス金利撤回の見方も
今年1月に導入したばかりのマイナス金利政策の取り扱いも、焦点になりそうだ。
総裁はマイナス金利について「導入を決めて国債のイールドカーブ全体が非常に下がっている。それが設備投資や住宅投資に影響を与えつつある」と述べる一方、「イールドカーブが非常にフラットになって、金融機関の収益状況にどのような影響が出るのかを含めて総括的な検証をする」と金利低下の副作用にも言及した。
専門家からは、こうしたイールドカーブの低下はQQEとマイナス金利の組み合わせで生じた弊害との声もある。日銀内からも、現在の長期・超長期金利の低下は行き過ぎとの声が少なくない。
マイナス金利の導入以降、急速に進んだ金利低下が、金融機関の収益や年金生活者などの生活を圧迫しているとの声も絶えず、マイナス金利政策への批判的な声は依然として消えない。
市場からは「検証結果を受け、マイナス金利の撤回も選択肢として念頭に置いておく必要があるのではないか」(外資系証券)との声も出ている。
(中川泉 伊藤純夫 編集:田巻一彦)
[東京 29日 ロイター]
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