アメリカ抗議デモ排除の警官隊に向き合う黒人女性、静かな抗議に大反響
黒人男性アルトン・スターリングさん(37)が地元警察によって先週射殺され、バトンルージュは抗議デモの引火点となった。コンビニエンスストアの前で銃を持った男に脅されているとの通報を受けた警察は現場に警官を送った。スターリングさんは同店舗前でCDを売っていた。
スターリングさんの死と、ミネソタ州セントポール郊外でもう1人の黒人男性、フィランド・カスティールさん(32)がその翌日に射殺された事件は、少数派に対する警察の扱いへの抗議運動をよみがえらせた。過去2年間渦巻いたこうした抗議は「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」と呼ばれる運動を起こしている。
立ちどまる
5歳男児の母親でもあるエバンスさんは、「彼の自由と権利のために戦ったと、息子をじっと見つめて伝えたかった」ので、バトンルージュに向かった。彼女を小さいころから知るという男性、R・アレックス・ヘインズさんは、フェイスブック上にそう書き込んでいる。
地元警察当局の拘置記録によると、エバンスさんは幹線道路の交通妨害の容疑で拘束され、すでに釈放されている。ロイターはエバンズさんのコメントを得ることができなかった。
ロイターのカメラマンによると、メガホンやショットガンを所持した新ブラックパンサー党のメンバーを含むデモ隊を警官隊が排除した後で、エバンスさんが幹線道路上を歩いて彼らの前に立ったという。
彼女は無表情で、何も話さなかったという。「私には、彼女が立ちどまり、『ここにきて、私を捕まえなければならない』と主張しているように見えた」とカメラマンは語った。
警官が彼女を捕まえ、急いで連れ去った。ほんの30秒程度の出来事だったという。
エバンスさんは逮捕後、フェイスブックに「平和、愛、ブラックパワー!#blacklivesmatter」と投稿。彼女は、自分に代わってインタビューを受けないで欲しいと友人たちに依頼し、自分で話をしたいと伝えたが、その後、まだ記者と話す準備ができていないと語っている。
「息子のもとに帰りたい。いろいろ経験した」と彼女は記した。
(Colleen Jenkins記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)