最新記事

マーケティング

中国全土で共感を得られる広告を作るには?

 つまり、テレビとネットの広告は、それぞれ異なる手法でアプローチするべきということだ。ただ、成功したテレビCMの手法をネット広告に応用することは研究してみる余地がある。たとえば、CMの1コマ1コマの大半にブランド名を映し出し、さらに時々アップにすることでブランドを目立たせる、といった手法だ。ネット広告用の3秒程度のウィンドウでは、一つのことだけを訴える単純なメッセージがもっとも効果的だ。また、モバイルの広告では、ユーモラスな要素を加えることでアクセスを増やせることがわかっている。

 あらゆる層にブランドのメッセージを届けるために、マーケターたちは異なる長さの広告を実験するようになってきている。テレビCMといえば「30秒」が当たり前だったが、今やそのフォーマットに固執するクリエイターは減少しつつある。いろいろな時間を試す上で気をつけるべきなのは、広告の目的やブランドの方向性に見あったフォーマットを使用することだ。

「30秒」のCMは、新製品や新しいキャンペーンを告知するのに適している。複数の要素を入れ込んだ、ある程度複雑なメッセージを届けられるからだ。翻って「15秒」はどうだろう。この場合は、基本的なアイデアのみしか伝えられないので、既知のことのリマインダーとして機能しやすい。さらに、数分にわたるような長時間の広告動画であれば、当然ながら込み入ったメッセージを伝えることができる。この場合、ブランドの既存のファンに報い、楽しんでもらうためのものという位置づけが適当だ。

[執筆者]
マニーシュ・チョードリー Maneesh Choudhary
世界有数の広告代理店WPP傘下のマーケットリサーチ会社ミルウォード・ブラウンのグループディレクター兼地域リーダー

ジェニー・マー Jenny Ma
ミルウォード・ブラウン社のアカウントディレクター

© 情報工場
johokojologo150.jpg



※当記事は「Dialogue Q2 2016」からの転載記事です

dialoguelogo200.jpg





情報工場
2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、エグゼクティブ向け教育機関で世界一と評されるDuke Corporate Educationが発行するビジネス誌『Dialogue Review』や、まだ日本で出版されていない欧米・アジアなどの海外で話題の書籍もいち早く日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約6万人のビジネスパーソンが利用中。 http://www.joho-kojo.com/top

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ECBなど欧州当局、金融機関や債券市場の監視強化 

ビジネス

中国首相に交渉通じた解決求める、米国との関税問題で

ビジネス

ECB、米相互関税で金融政策正常化に遅れも=ギリシ

ワールド

日本は非友好的、平和条約を協議する理由はない=ロシ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 9
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 10
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中