次期英首相レースの本命メイは、21世紀版の「鉄の女」?
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<離脱派のジョンソン前ロンドン市長が出馬を送ったことで、最有力候補に躍り出たメイ内相。EU離脱問題では残留派だったが、論争に深入りしなったために党内離脱派からの反感は買わずに済んでいる>
EU離脱国民投票を受けて辞意を表明したキャメロン首相の後任は誰になるのか。与党・保守党の次期党首選びが始まった。
離脱派を率いたジョンソン前ロンドン市長は出馬見送り。テリーザ・メイ内相とマイケル・ゴーブ司法相の争いになるのがほぼ確実だが、ブックメーカーによれば、9月の党首選の本命はメイだという。テリーザ・メイとは、どういう政治家なのか。
党首選出馬表明のスピーチではこう述べている。「高い地位を目指す政治家の中には、イデオロギーが動機の人もいるし、野心や名誉欲が動機の人もいる。私はもっと素朴な思いで出馬を決意した。牧師の娘、軍人の孫として育った私は、物心ついたときから社会に奉仕したいと思っていた」
そして「華」はなくても「目の前の仕事を片付けていく」タイプと自分を評する。売りは経験豊富な実務派で、対立をあおらないこと。「初日から仕事に取り掛かれる首相が必要なときがあるとすれば、それは今だ」
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メイは10年のキャメロン政権発足以来、内相を務め続けている。6年という内相在任期間は、第二次大戦後で最長だ。
イギリスの内相は、首相、財務相、外相と並ぶ4大重要ポストの1つだが、内相経験者が首相になることはほとんどない。警察、移民、テロ対策など、政治的地雷原とも呼ぶべき分野を担当する役職だからだ。
警察改革の実績は大きい
しかし、メイの仕事ぶりはおおむね評価が高い。「過去半世紀で最大規模の警察改革を指揮し、政府統計によれば犯罪率も減り続けている」と、リベラル派のガーディアン紙も書いている。警察の問題点にも切り込んでいるし、「レイプ事件の捜査放置や人身売買など、女性に対する暴力の問題にも力を入れてきた」と同紙は評価する。