EU離脱決定でイギリス国内の政治・経済が大混乱、株・通貨下げ止まらず
キャメロン首相の報道官は、キャメロン氏は後継に関して特定の候補者への支持は表明しない立場だと述べた。
キャメロン首相は10月まで職務を継続するが、EU離脱の正式な手続きには次期首相が着手すべきとしている。保守党は9月初めまでに次期首相を選出する方針だ。
英国議会ではEU残留支持が過半数を占めていたが、首相は議会に対し、23日の投票の結果を受け入れるべきだと述べ、国民投票のやり直しに否定的な見方を示した。
一方、フランスのサパン財務相など、多くの欧州当局者は英国のEU離脱手続きを速やかに進めるよう求めている。
キャメロン首相は28日、ブリュッセルでEU首脳との夕食会に出席し、勝利を約束したはずの国民投票の結果について説明する。外交筋は、EUに加盟する27カ国は英国の離脱手続きの開始まで約3カ月待つしかないと諦めていると語る。
独仏伊首脳は27日、英国がEU離脱手続きを正式に申請する前に非公式な交渉を行うことはあり得ないとの考えで一致した。メルケル独首相は会見で、英国のEU離脱を遅らせるブレーキも加速させるアクセルも持ち合わせていないと語った。
キャメロン首相は28日の夕食会後にブリュッセルを離れる予定で、29日には英国が参加しない初めてのEU首脳会議が開催される。
今回の英国民投票では、多くの離脱支持者が移民問題に注目し、東欧からの移民が多すぎると不満を漏らしていた。
警察は26日、ポーランド系移民を差別する内容のチラシがハンチントンやイングランド中部で配布されたほか、ロンドン中心部のポーランド文化施設が落書きの被害にあったと発表。捜査を進めている。
キャメロン首相は議会で、ポーランド系移民が英国に多大な貢献をしたことを忘れてはならないと述べ、「ヘイトクライムなどの攻撃は許さない」と非難した。