最新記事

イギリス

EU離脱決定でイギリス国内の政治・経済が大混乱、株・通貨下げ止まらず

2016年6月28日(火)10時58分

 キャメロン首相の報道官は、キャメロン氏は後継に関して特定の候補者への支持は表明しない立場だと述べた。

 キャメロン首相は10月まで職務を継続するが、EU離脱の正式な手続きには次期首相が着手すべきとしている。保守党は9月初めまでに次期首相を選出する方針だ。

 英国議会ではEU残留支持が過半数を占めていたが、首相は議会に対し、23日の投票の結果を受け入れるべきだと述べ、国民投票のやり直しに否定的な見方を示した。

 一方、フランスのサパン財務相など、多くの欧州当局者は英国のEU離脱手続きを速やかに進めるよう求めている。

 キャメロン首相は28日、ブリュッセルでEU首脳との夕食会に出席し、勝利を約束したはずの国民投票の結果について説明する。外交筋は、EUに加盟する27カ国は英国の離脱手続きの開始まで約3カ月待つしかないと諦めていると語る。

 独仏伊首脳は27日、英国がEU離脱手続きを正式に申請する前に非公式な交渉を行うことはあり得ないとの考えで一致した。メルケル独首相は会見で、英国のEU離脱を遅らせるブレーキも加速させるアクセルも持ち合わせていないと語った。

 キャメロン首相は28日の夕食会後にブリュッセルを離れる予定で、29日には英国が参加しない初めてのEU首脳会議が開催される。

 今回の英国民投票では、多くの離脱支持者が移民問題に注目し、東欧からの移民が多すぎると不満を漏らしていた。

 警察は26日、ポーランド系移民を差別する内容のチラシがハンチントンやイングランド中部で配布されたほか、ロンドン中心部のポーランド文化施設が落書きの被害にあったと発表。捜査を進めている。

 キャメロン首相は議会で、ポーランド系移民が英国に多大な貢献をしたことを忘れてはならないと述べ、「ヘイトクライムなどの攻撃は許さない」と非難した。

[ロンドン 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英サービスPMI4月改定値、約1年ぶり高水準 成長

ワールド

ノルウェー中銀、金利据え置き 引き締め長期化の可能

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中