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【動画】銃規制めぐり怒りのサボタージュ、米議会下院の法案否決で民主党議員座り込み

2016年6月24日(金)15時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Rep. Donna Edwards-REUTERS

 アメリカ史上最悪の犠牲者を出したフロリダ州の銃乱射事件を受けて、米議会で銃規制強化に向けた機運が高まっているが、今週下院では、民主党提出の規制強化法案が否決されたことに反発した民主党議員数十人が本会議場の床に座り込み「議事妨害」に出る、異例の事態となった。

 民主党議員は、共和党のポール・ライアン下院議長が議事を進行しようとすると、「No bill, no break! (法案を審議しなければ、座り込みは終わらない!)」と声を上げ、銃乱射事件で犠牲となった人たちの名前が書かれた紙をライアンに見せて抗議した。また公民権運動でよく歌われた「We Shall Overcome(勝利を我らに)」を歌う一幕もあった。

(座り込みの様子を動画で撮影したノーマ・トレス議員(民主党)のツイート)


【参考記事】銃乱射に便乗するトランプはテロリストの思うつぼ

 座り込みは約26時間に渡って続いたが、23日早朝になって下院が休会となったため終了した。米議会では先週、上院でもコネティカット州選出のクリス・マーフィー議員(民主党)が2012年に同州のサンディフック小学校で発生した銃乱射事件に関連して15時間質問を続ける「議事妨害」を行っている。

 銃販売の際の経歴チェックを強化することなどを盛り込んだ民主党提案の規制強化法案は、上下院ともに否決されている。しかし下院では、新たに超党派議員によって、テロリストの疑いのある人物への銃販売を禁止する別の法案を提出する動きもある。フロリダの事件を受けて、銃規制の強化が必要だという意見は共和党主流派の議員からも出ていることから、米議会での議論は今後も続くものと見られる。

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