インドで輝く中小企業、大手の苦戦尻目に好業績
一方、費用の高さが中小企業の純利益の伸びを半減させているが、それでも2桁増を確保。対照的に上場企業は純利益減に苦慮している。
当面は政府支出が下支え
中小企業の躍進は朗報だが、インド政府が目標とする8%以上の経済成長率を一貫して実現するには、大手上場企業の復活がやはり重要。
インドのモディ首相は今年度、320億ドルのインフラ支出計画の一環として、高速道路の1万キロ新設と5万キロ改修を計画している。
政府のインフラ計画はすでに、効果が表れ始めているようだ。上場企業(金融を除く)は今年1─3月期に、18%の増益を確保しており、大手企業のバランスシート改善への期待感が広がりつつある。
ただ、投資の回復はまだら模様だ。エンジアリング企業のサーマックスでは、1─3月期の受注が前年同期比15%減少した。
銀行が企業のデフォルト(債務不履行)への対応を厳しくするなか、新規投資が目に見える形で回復するまでは、企業は資本支出を控える公算が大きい。インド政府のある高官は「それまでの間は、政府支出が支えるほかないだろう」との見方を示している。
(Rajesh Kumar Singh記者、Suvashree Choudhury記者 翻訳:吉川彩 編集:吉瀬邦彦)