米FRB議長「緩やかな利上げ想定」、時期に関し言質与えず
議長は先月27日、今後数カ月での利上げがおそらく適切になるとの見解を表明。この日は対照的に、利上げ時期に関する具体的な言及は避け、慎重に言葉を選んだ様子がうかがえた。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前にFRB当局者が公の場で発言するのは、今回の議長の講演が最後となる。
議長が利上げ時期に関し明言を避けたことで、来週のFOMC以降も利上げは当面ないと受け止める向きがある一方、議長が米指標のプラス面を強調したことは利上げが近いことを引き続き示唆していると解釈する向きもあった。
エコノミストは現在、7月か9月の利上げを有力視する一方、先物市場は今年のより遅い時期を見込んでいる。
コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「利上げ時期に関する言及がなかったことは、単に6月利上げの可能性が消えたことを示している。指標が正当化すれば、7月の可能性はある」と予想する。その上で「議長が市場よりやや楽観的な見方を示した点が、今回の講演で重要なポイントだと考えている」と話した。
イエレン議長はインフレ率について、原油相場が持ち直しドル高が一服する中で、2%の目標に回帰すると引き続き楽観していると述べた。
議長発言を受け、ドルは当初値上がりしたがその後は押し戻され、米株は講演前の水準をやや上回って推移した。目先の利上げ観測にどう影響したのか、金融市場に明確な兆候は見られなかった。
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