最新記事

インド

モディ、オバマと7度目の首脳会談に向け訪米、それでも消えぬ警戒感

2016年6月5日(日)20時45分

 米国側にも不満はある。両国は2005年に民生用の原子力協定を結んだが、米企業が輸出にこぎつけた実績がまだないからだ。唯一、東芝<6502.T>傘下の米原子力大手ウェスチングハウスが、インドで原子炉6基を建設する契約が最終合意に近づいているもようだ。

 両首脳はインドが希望する原子力供給国グループ(NSG)への加盟についても協議する見通し。NSGは核不拡散を目的として原子力関連の取引をする48カ国が加盟するグループだが、インドは核兵器開発を理由にこれまで加盟を認められなかった。

人権問題への警戒も

 米議会はモディ首相に対しておおむね好意的であるが、一方で、米企業の進出が阻害されていることや、非効率的な官僚主義への批判があり、人権問題の疑念も解消されていない。

 米上院外交委員会のボブ・コーカー委員長(共和党)は電話インタビューの中で「両国の経済的関与を増やすべきであり、米企業のアクセスも拡大されるべきだ」と語った。

 また、モディ氏は2002年に州首相を務めていたグジャラート州で暴動が発生した際、大勢のイスラム教徒が殺されるのを黙認したと言われており、そのために米国のビザが長年与えられなかった。

 米議会人権委員会は首相の訪米初日の7日、インドの状況について公聴会を開く予定。その翌日には議会で首相の演説が行われる。

 (記者:Douglas Busvine、Patricia Zengerle 翻訳:長谷川晶子 編集:加藤京子)

[ニューデリー/ワシントン 3日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:東証の市場再編、迫る経過措置切れ 投資機

ワールド

ウクライナ代表団が訪韓、武器支援を要請=報道

ワールド

NZ中銀、政策金利0.5%引き下げ 追加緩和を示唆

ワールド

レバノン北部のシリア国境に初のイスラエル空爆と閣僚
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 4
    放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...…
  • 5
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 6
    こんなアナーキーな都市は中国にしかないと断言でき…
  • 7
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 8
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 9
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 10
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中