「ロックもラップもいずれ死ぬ」
――キッスのライブ映画『KISS Rocks VEGAS(キッス・ロックス・ベガス)』(日本公開は5月29日1夜限り)は、どんな経緯でできたのか。
私たちは何でも、やるならどでかくやりたいと思ってきた。あるコンサートの企画で、最近よくある巨大スクリーンを使ってみようと思った。それで場所を借りたりしていたら、「リハーサルもライブにして盛り上げよう」となったわけだ。(花火で)火事を起こさないようにするのが大変だった。
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――以前、オバマ大統領に投票したことを後悔していると言っていたが。
今は違う。ドローンを派遣して悪者を退治したり、(ウサマ・)ビンラディン殺害に特殊部隊を派遣したり。そういうことを始めてからオバマに対する評価は上がった。弱腰なリーダーは悪者たちの思うツボだ。
――「アメリカはビジネスマンが動かすべきだ」と言ったこともある。
国を統治するのに政治家が適任ではないという考えは変わっていない。ビジネスマンのほうがいいと思う。資本主義と雇用創出の仕組みを知らない人間がトップになっても、混乱するだけだ。アメリカは(ビル・)クリントン大統領のとき財政均衡を達成したのに、今や19兆ドルもの対外債務を抱えている。それは「アメリカは太ってる。ダイエットが必要だ」と言う勇気が政治家にないからだ。
――では、今年の大統領選ではビジネスマンのドナルド・トランプを支持するのか。
トランプはテレビで見てのとおりの男だ。いいか悪いかは別として、彼は自分のカネで選挙活動をしているから、好き勝手なことを言える。それをいいと思うなら投票すればいいし、嫌なら投票しなければいい。
[2016年5月31日号掲載]