米共和党、トランプ降ろしの最終兵器
「団結せよ」の呼び掛けをよそに、「トランプ大統領」阻止を画策する動きは止まらない
団結を乱す人 共和党幹部のポール・ライアン下院議長を訪ねるトランプ Kevin Lamarque-REUTERS
米共和党幹部は先週、党団結の重要性を説いて回ったが、騙されてはいけない。ドナルド・トランプが大統領になるのを阻止するために、ドン・キホーテさながら敵に突進しようとする動きはまだ活発だ。勝ち目はないかもしれないが、この戦いは、今後数十年にわたる保守政治への認識を左右する。
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週末のワシントン・ポスト紙の報道によると、ドン・キホーテの最新の動きは、7月の共和党大会か11月の大統領選挙でトランプに逆転勝利できる独立候補擁立だ。オハイオ州知事のジョン・ケーシックやネット長者のマーク・キューバンも含め、今まで打診した大物は皆、出馬を拒否した。それでも、共和党の一部はトランプ退治を諦めない。共和党の未来が懸かっているからだ。
「不利な状況なのはわかっているが、誰も諦めるつもりはない」と、共和党の反トランプ運動の中心人物の一人で共和党のストラテジストを務めるリック・ウィルソンは本誌に語った。「このままただ降参するわけにはいかない、という気持ちで皆一致している。信念を持ってトランプに反対し続ける」
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選択肢ははっきりしている。トランプを共和党の顔として受け入れて、その壊滅的な結果も受け入れるか、あるいはトランプを止めるか、だ。もちろん彼らは止めるつもりだ。たとえそのせいで共和党の票が割れ、民主党のヒラリー・クリントンに流れてしまったとしても。トランプが大統領候補になれば、どうせ本選ではクリントンが勝つことになるのだから、とウィルソンは言う。
リバタリアンから宗教保守派まで
かくして戦いは続く。先のワシントン・ポスト紙によれば、独立候補探しのリストには、2012年の副大統領候補ミット・ロムニーや有力コメンテーターのビル・クリストルやエリック・エリクソン、ストラテジストのマイク・マーフィー、スチュアート・スティーブンス、そしてウィルソン自身も入っている。
必要なのは強い候補だ。リバタリアン(政府極小主義者)や軍事タカ派、キリスト教保守派など、トランプを嫌いなすべての層に好かれる候補。これまで声をかけた候補にはすべて断られたが、ウィルソンは誰かが心変わりすることを期待している。
とはいえ、トランプを止めるのは日増しに難しくなっている。残りの予備選は登録の締め切りが過ぎたか近づいているからだ。だがもし仮にトランプが共和党の候補になったとしても、それでもまだトランプとクリントンを大統領にしない方法はある、と反トランプ派は言う。