ヒラリー・クリントン、トランプに利用されかねない6つのスキャンダル
いずれのケースも刑事訴追はされなかったが、被害者女性へのヒラリーの対応が叩かれる可能性はある。最近の選挙運動でヒラリーは、「すべての性暴力の被害者は、真摯に事情を聴いて信用してもらう権利がある」と発言している。立派な言葉だ。だがもし自分の夫の「被害者」の女性たちを信じるかと問われたら、ヒラリーは深刻なジレンマに陥ることになる。
<ビンス・フォスターの自殺>
クリントン政権初期の大統領次席法律顧問だったビンス・フォスターは、93年7月に公園で銃を手に死亡しているのが発見された。その後自殺と断定されたが、クリントンが殺したという根拠のない陰謀論は根強く囁かれ続けている。クリントン周辺は、陰謀論の出所は共和党関係者だと主張している。
今回の大統領選では誰も真剣に取り上げていなかったが、最近トランプはフォスターの死を「かなり怪しい」と発言し、陰謀論を真剣に取り上げるべきだと言い出している。
<電子メール疑惑>
ヒラリーの最も新しいスキャンダルは、国務長官時代に職務関連のメールを私用アカウントで使用したという「電子メール疑惑」だ。政府職員が職務に私用アカウントを使ってはならないという規則に違反したという指摘だが、実はその規則はヒラリーが国務省を去ってから発効したものだった。
ヒラリーが「機密」に指定された65通のメールをセキュリティの低い個人アカウントで送っていたという指摘もあったが、結局どのメールも間違って機密扱いとなったか、ヒラリーがメールを送って以降に機密扱いになったことがわかり、実質的にヒラリーは何も悪いことはしていないことがわかった。
現在も米連邦捜査局(FBI)が捜査を続けているので、その進捗によってはヒラリーにとって大きな痛手になることはあり得る。
<ウォール街との関係>
ヒラリーは、投資銀行ゴールドマン・サックスから2回のスピーチを頼まれて50万ドル(約5500万円)を受け取っていた。これは民主党の対立候補バーニー・サンダースが大好きなネタだ。
公にはウォール街の金儲け主義を批判して新たな規制を導入すると公約しているヒラリーが、個人的にはウォール街を喜ばせるようなことを言って多額の金を貰っているという批判だ。
ヒラリーはスピーチ原稿の公開を拒否しているため、何かやましいことがあるのではないかと外野は想像をたくましくしている。クリントン夫妻は、ビルの大統領の任期終了後には多額の個人債務を抱えていたので、スピーチ代はその返済にあてられたのかもしれない。しかし隠そうとすることで逆に疑惑を深めてしまっている。