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中国の4月度輸出入はともに予想以上の減少、内外の需要振るわず

アジア各国の貿易低迷と連動、今年も新興国の経済は厳しいものに

2016年5月9日(月)10時50分

5月8日、中国税関総署が公表したデータによると、4月の中国輸出と輸入は、国内外の需要が振るわず、共に予想以上に減少した。提供写真。江蘇省の港で4月撮影(2016年 ロイター/China Daily)

 中国税関総署が公表したデータによると、4月の中国輸出と輸入は、国内外の需要が振るわず、共に予想以上に減少した。これを受け、中国の景気回復期待が後退した。

 前月プラスに転じていた輸出は前年比1.8%減少。輸入は同10.9%減となり、18カ月連続のマイナスとなった。

 ロイターがまとめたエコノミスト予想は、輸出が0.1%減、輸入が5%減だった。

 3月の輸出は11.5%増、輸入は7.6%減だった。

 コメルツ銀行(シンガポール)の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「輸出と輸入はともに予想よりも弱かった。これはアジア各国の貿易低迷と一致しており、新興国にとり今年も厳しい年になることを示している」と語った。

 国・地域別では、最大の輸出先である米国向けの輸出が9.3%減少。一方、2番目の規模の欧州連合(EU)向けは3.2%増加した。

 貿易黒字は455億6000万ドルとエコノミスト予想の400億ドルを上回った。

 周浩氏は「中国の指標がやや下振れするリスクに市場は備える必要がある。一定の市場調整はおそらく不可避となるだろう」と述べた。

[北京 8日 ロイター]


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