三菱自、日産から34%出資受け入れ再建へ
アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは「『コストカッター』と呼ばれる日産のカルロス・ゴーン社長の基本戦略はスケールメリット。その効果が期待される」と述べ、今回の資本業務提携は「両社にポジティブ」と評価。「タイやインドネシアなどでは三菱のシェアは日産より上で、存在感も大きい。一緒にできれば日産にとってプラス」と話す。また、日産は「燃費不正での補償額などを差し引いてもらい、実質的に安い投資で済むのではないか」とみる一方、「不正問題はまだ全容解明にはほど遠く、今後の問題の進展次第ではリスクもある」との見方を示した。
2011年には両社で軽自動車の企画開発を手掛ける折半出資の合弁会社を設立。三菱自の軽自動車「eKワゴン」「eKスペース」を、日産の「デイズ」「デイズルークス」として三菱自の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産・供給している。この軽4車種で三菱自の燃費データの不正が最初に確認されたが、不正の発覚は次期モデルの開発を担当する日産の指摘がきっかけだった。
(白木真紀 編集:宮崎大)
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