最新記事

自動車

Jポップカルチャーで国際競争に勝つ! 国内自動車メーカーが独自色

2016年4月24日(日)07時55分

 トヨタ自動車<7203.T>のハイブリッド車「プリウス」最新モデルに採用されたフロントグリルとLEDヘッドランプは、同じく日本の人気アニメ「ポケットモンスター」のキャラクター、ピカチュウに少し似ていると言われる。 しかし、同社の専務役員で、デザイン本部本部長である福市得雄氏は、類似性は必ずしも意図したものではなく、エアロダイナミクスを考えて作っていった結果、あのような顔(フロントグリル)とシルエットになったと語る。 福市氏によると、トヨタ車、とりわけ同社の高級車ブランド「レクサス」にとって、「Jファクター」はスタイルよりも、ドアの閉まり音やスイッチをつまんだ感じといった機能性において表れているという。

 例えば、視界から死角をなくすにはどうするかを考え、モノ作りに反映させた、と同氏は語る。「単にこういうスタイルにしたいと(デザイナーが)勝手に作ったものではなく、乗る人の気持ちになってどういったものを作るのかが日本のモノ作り」との考えを示した。

 日産の中村氏は、現代的な日本の「カワイイ」文化も取り入れている。

 中村氏は、同社の小型スポーツ用多目的車(SUV)「ジューク」が、人気漫画「ONE PIECE」の主人公モンキー・D・ルフィに似ていると言われるが、意図的に似せたつもりはないものの、別に否定しないと語る。

 「愛くるしさみたいなものをジュークで表現したかった」と述べ、このような表現は恐らく日本特有であり、それがジュークの独自性につながっていると思うと同氏は語った。

 (白水徳彦記者、田実直美記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[東京 20日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日経平均は続落で寄り付く、円高が重し 主力株安い

ワールド

パキスタン、元首相の釈放を求める抗議デモ激化 数百

ビジネス

インテルに78.6億ドルの半導体補助金、米政府が最

ワールド

レバノン北部のシリア国境に初のイスラエル空爆と閣僚
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...日建ハウジングシステムの革新
  • 4
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 5
    こんなアナーキーな都市は中国にしかないと断言でき…
  • 6
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 7
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 8
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 9
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 10
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中